新風

録画&情報断ちして、最近巷で噂の野洲高校目当てで、準決勝を深夜ビデオ観戦。


いやはや、びっくらこいた。野洲のサッカーは下手なクラブチームよりも面白いわ。選手個々の判断が臨機応変で素早く、ボールの繋がるリズムがとてもユニーク。ノっている時間帯には、ベスト4同士の対戦とは思えない圧倒的なボール支配力を見せつけた。テクニック重視のサッカーというと、かつて旋風を巻き起こした静岡学園を思い出すけど、あのとき以上の衝撃だった。攻撃面だけでなく、選手間の距離を短くする野洲のサッカーは、守備面でのプレスもまた特徴。対する多々良学園もFWダンの強力ポストワークを起点に意地を見せてくれ、とても好ゲームだったと思う。


もちろん高校レベルではあるし、野洲もボールの失い方が非常に悪いことも多く、またスタミナの切れる残り15分はどうなのよ?とか、ちょっと軽業チックすぎやしないかという批判もありそーだ。しかし、野洲サッカーのインパクトはデカかかった。観戦した誰しもが、この年代の育成について、いろいろと考えさせられちまっただろうね。


個人的にはこういうサッカーは大好き。いっぺんに野洲ファンになった。でも、それよりも、高校サッカーの多様性を俺は重視してる。画一的なチームばかりじゃつまらないし、若年層強化にもならないとも思う。サッカー協会がなにもかも指示するような育成組織が上手く行くとは思えない。政府が凄いんじゃなくて、企業が頑張ったから日本の今があるのと同じことで。


鹿実野洲の決勝戦がとても楽しみだ。前年度覇者でもあり、県大会からここまで無失点試合を続けてきた鹿児島実業に対して、野洲がどこまで独自のサッカーを貫けるか興味深い。