追いつめられた鉄砲玉のような気分


イタリア2−2ガーナ@アテネ五輪男子サッカー・グループB


イタリアはジラルディーノ1トップの4−5−1システム。
攻守とも勝負所ではガーッと連動してくる印象。
バックラインからジラルディーノに直接ロングボールを当ててくる。
一人でどうにかしてゴールを奪ってしまうスーパーな選手なだけに、
ちょっとでも油断したらそのままゴールまで叩き込まれそうだ。
ただし今はちょっと体が重いのかも?ボールが収まらないし、キレもない。
守備ではイタリアらしく激しいコンタクトで中盤からプレス。
受けに回ったときには、やっぱりカテナチオの時もある。
必ずDFラインがしっかりゴール前に並んでいてスペースを与えない。
遅攻の場合には必ずピルロを経由。やはり上手さ、キープ力は図抜けている。
とは言え両サイドの突破力もあなどれない。
また今回は先制された後は、当然、亀のように閉じこもる事は無く、
サイドバックも上がって攻めて来た。
先制した場合に守り倒すチームなのかどうかは分からない。


対するガーナ。
注目の身体能力としては、スピードと敏捷性と柔らかさ、伸びる足。
同じ中央アフリカでもカメルーンやナイジェリアやよりも線が細く、
パワーやジャンプ系というよりも、スピード&クイックネス系。
昔から伝統的にガーナに関してはそういう印象があった。
ただし体重・身長データをみたわけではないのであしからず。
日本のように真面目にボールの受け方など気にせずとも、
独特の柔らかい体の使い方でターンしてしまう。
囲まれてもなんとかしてしまう細かい足技も上手い。
ミドルシュートもある。個の力は衝撃的に高い。
さらに、コネコネせずに小気味よくパスを繋ぐので始末に負えない。
守備においてもよく組織され、攻守の切り替えが速く、
しっかりと囲んで、あのイタリアに速い攻撃を許さない。


立ち上がりは骨身を削り合うような激しい潰し合い。


前半35分均衡が崩れた。
ガーナの遅攻。右サイドにいた10番アッピアからボランチへボールが戻り、
イタリアDFラインの前に楔のボールが入る。
右サイドを上がったアッピアに展開。ダイレクトにマイナス方向へグラウンダークロス。
下がるイタリアDFライン目の前を、嘲笑うように逆サイドまで届く。
6番パピエが戻りながらのダイレクトシュートをポストに当てて突き刺した。


ガーナ2得点目は前半ロスタイム。
ユベントスに所属するアッピアペナルティエリアの外でボールを受け、
ちょっとトラップミス気味で、かつDF二人に挟まれているにもかかわらず、
トリックのようなステップから、素早い振りで超強烈なミドルドライブシュート
うへぇ〜!なんじゃそりゃ〜!


イタリア1得点目は左サイド中盤後ろのピルロのタメからデロッシに展開、
その間にスルスル上がった左サイドバックモレッティにパスが出てダイレクト・クロス。
中に走り込んだ3トップ一番外側のピンツィに届き、ダイレクトで合わせてゴール。


後半38分。
ガーナDFラインの前に入り込んだイタリア選手に楔のパスが入ったと思った瞬間、
ダイレクトではたくようにスルーパス
それに対して、ラインの真ん中にいたジラルディーノが素早く反応。
ダイレクトシュートはGKに阻まれるが、こぼれ球を押し込み同点。
やはり侮ってはいけない。決定的な仕事をする選手だ。
そして逃げずに真ん中で踏ん張り続けた結果だろう。

      ガーナ イタリア
シュート   8   11
枠内シュート 4    7
コーナー   4    5
ファウル  29   21
オフサイド  1    3
警告     3    2
退場     0    0

ハッキリ言って、どっちもパラグアイより強そうなんですけど。
日本は、とにかく相手の良さを消さなければ話にならないだろうな。
攻守にすべてを出し切っても勝てるかどうか・・・。
マジでこんな相手とやるんスか?


でも、やるんだよっ!
やるしかねーんだよっ。
勝つぞ。


追いつめられた鉄砲玉のような気分。