ナハトム・ジーク

画力はあるのに物語構成力がイマイチな漫画家が、原作付きになって復活することが、しばしばあります。例えば『CYBORGじいちゃんG』の小畑健が、原作付きになり『ヒカルの碁』『DEATH NOTE』で大ヒットを飛ばしたことが顕著な例ですね。同じジャンプ系の漫画家・野口賢もそんなタイプ。現在連載中の2本の漫画とも、大ヒットすることはありえないでしょうけど、俺的にはスマッシュヒットです。


Ohスーパージャンプで連載中の『KUROZUKA - 黒塚』は夢枕獏原作の伝奇モノ。義経八百比丘尼伝説+安達ヶ原の鬼女+吸血鬼+バイオレンスジャック+フィリップKディックの『流れよわが涙、と警官は言った』みたいな話。もう一方、ヤングジャンプ増刊・漫革に連載中の『傭兵ピエール』の原作は、ヨーロッパを舞台にした歴史小説で定評のある佐藤賢一。原作自体も本屋で平積みされてたから、そっちの方が有名でしょうね。ネットで調べてみたら、宝塚で舞台化もされてるのね。へー。


まーどっちも、一体いつ発売されるのかよく分からず、どーゆー読者層相手に発行してるのかすらよく解らないようなマイナー誌に連載ってところが辛いですね・・・。


余談ですが、野口賢が92年に週刊ジャンプ初連載し、あっという間に突き抜けたトンデモ時代劇漫画が『柳生烈風剣連也』(全1巻)です。で、この中に出てくる非常に強いライバルの名前が「ナハトム・ジーク」でした。その名前がずーっと妙に引っかかっていたんだけど、数年経ってからようやく、モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク*1」から名前を取ったことにフッと気がついて一人膝を打ちました。いくらなんでも気づくの遅すぎだよ・・・俺。ともかく、それ以来、僕の中ではナハトムジークは、ナハト・ムジーク(Night Music)ではなくてナハトム・ジークです。

*1:Eine kleine Nachtmusik:小夜曲。L⇔Rの同名曲もありましたねー。