今日読み終わった本

三砂ちづるオニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す
本屋に平積みされていたこの本。どこかの書評で紹介されていたような記憶があったので、買って読んでみたんですが、とにかくムカムカしました。男の俺ですら。


たとえばこんな文章。

社会の中で適切な役割を与えられない独身の更年期女性が、山にこもるしかなくなり、オニババとなり、ときおり「エネルギー」の行き場を求めて、若い男を襲うしかない、という話だった、と私はとらえています。

女としての生活を楽しめなかった戦後世代

出産・授乳を通じてのしっかりした身体的つながりができていない母娘関係は、嫉妬の関係に陥りやすいところがあります。

そこまで難しく考えなくても、単純に、たとえば盛りのついた犬にはちゃんと、盛りを押さえるようなことをしないといけないではないですか。

誰とでもいいから結婚した方がいい。

生殖を中心に人生を考える、ということです。

大人になると何が楽しいかといえば、昔は「セックスができる」ということにつきたのでしょう。

一夫一妻制は変えられないのですから、そんなにあちこちで女を作るような力のある男性というのは、本当に、めかけを持てばいいのです。でもめかけにするには経済的にそれだけ約束をしなければならないわけですから、やっぱり「お金のない男はほかの女に手を出すな」と思います。

そういう意味では今のおばあさんたちも、みんなオニババになりかけているのではないかと思うのです。

だって今、おばあちゃんが全然、やさしくないですよね。

これは「卵子の悲しみ』が伝わってくるのではないかと思っています。

もーなにがなんだか。この著者が女性保健を専門とする大学教授だというのだから呆れる。


その言ってることのすべてがデタラメというわけじゃあない。身体機能に関して正論な部分もある。それだけに余計、タチが悪い。「身体的に女性であることを軽視するな」と論理的に主張しているのならば頷けるのだが、生殖活動に励まないとオニババになっちゃうよ!と、非論理的に主張しているので困る。怒ってる人が沢山いるのも当然だわ。


とにかく突っ込みどころ満載なので、そういう点では面白いかも。自分としては、もっとサイエンティフィックな論拠に基づいて、ユーモラスに書いた話なのかと思って買ったんですが、サイエンスもユーモアもありませんでした。まぁしかし、わざわざ本を読んで嫌な気分になる事もないですよね・・・。がっくり。