神様

どろろ(1) (手塚治虫漫画全集) 鉄の旋律 (手塚治虫漫画全集) アリと巨人 (手塚治虫漫画全集)


最近、手塚治虫全集を読み直し中。ところどころまだ未読のものがあるんで、それも埋めて行きたいと思ってる。


今日読んだのは上記の三つ。『どろろ』(’67)は言わずと知れた手塚名作の一つ。妖怪達に目鼻口耳手足など体の48カ所を取られて生まれてきた百鬼丸が、体を取り戻して行く物語。百鬼丸の魅力に参った者多数。神様があとがきに記しているように、ノリノリの前半部は絵的にも物語的にもレベル高し。40年近く前の作品なのに、鮮度は失われていない。神様はやっぱり凄すぎるってばよ。


鉄の旋律』('74)は、ブラックジャック('73)とほぼ同時期で、虫プロを失って沈んでいた頃の短編を3つ含む。ずいぶん昔に表題作を読んで、敵役のマフィアの息子の二面性が妙に怖かった。今読むとそれほどでもない。むしろ3作目の記憶喪失(?)の話が、今の日本の状況を考えると、より面白い。読む時期が違うと、受け取り方も変わってくるものだね。


アリと巨人』('61)は今回初読。50年代の絵本チックな描き方から漫画技法が著しく発展した時期であるためか、登場人物の子供から大人になるまで描かれているせいか、この作品の最初と最後では雰囲気が結構違う。手塚漫画の変遷を考える意味で面白かった。