帰国

kumojuza2007-03-27

朝5時半にベルリン・テーゲル空港に到着して、まずやったことが、ベルリン市内交通定期券*1の販売。A4の紙に宣伝文句を書いて、パドルのブレード面にガムテープでくっつけて人目を惹く作戦。有効期限は3月いっぱい(残り6日)、販売価格は10Euro(1570円)。一日券を正規購入したら5Euroだから、かなり安い設定でしょう。


しかし、これが売れねー売れねー。


まー当たり前なんだけどねー。朝6時だからまだ到着便は来ていないし、空港にいる人たちはこれからベルリンを出ようとしているわけで定期券なんて必要ないし、見送り客も朝早すぎておらんのですよ。


それにしても、さすがにいい歳こいてるのに、学生みたいな貧乏旅行の作法で小金を得るためにこうして定期券を売ろうとして、道行く人達の目にさらされるのは、結構キッツイものがあるやねぇ。これ何て羞恥プレー?という感じ。サッカーW杯での"We need Ticket!!" "Suche Karte!!"と違って、孤独だし。


その一方で、なんというかマゾ部分が刺激されるというか、楽しい感じもするんだよなー。意図せず恥ずかしい目に会うのは人並み以上に嫌いだけど、自分から恥ずかしい行為に飛び込んでいく事には、どこかしら憧れがあるのかもしれない。


またそれとは別に、明らかに自分は金勘定に疎いというか、テキトーというか頓着しないがゆえに金が貯まらないタイプなのに、変なところでワザワザこうやって節約しようとするってのも、我ながら笑ってしまう。



結局、興味を示す人は結構いたものの、買い手は現れず、断念。


搭乗手続きをしてみると、スーツケースの重さが29.7kgと予想以上に重かった。British Airwaysのエコノミークラスの場合、預け入れ荷物は23kg以下で1個までOKという規則なので、いったいどれだけ超過料金を請求されるかとビビりまくったけど、別セクションに連絡を取ってくれた結果、今回は超過料金無しということで通してもらえた。もちろん、次は払ってもらうよ、と釘を刺されて。ちなみに超過料金は120ポンド(約2万7千円)らしい。問題は、それだけ払って、郵送ではなく自分で運ぶ価値のあるものかどうかだよねぇ。


預け入れ荷物個数についても1個までという制限があるハズだけど、パドルも別料金なしで預けることができた。スキー板とかこういう細長くて軽い物はオッケーなのかな。まぁ、そのかわり、搭乗時間10分前*2に、下の階の別のゲートまで数百メートル走る羽目になった。最初、どこにその16番ゲートがあるのかわかんなくて、焦りまくりもした。


まずはベルリンからロンドンへ。トランジットのヒースローで7時間待ち。手配するのが遅かったから、乗り継ぎの悪い便しか無かったのだ。空港内では何もかもボッタクリ価格だけれど、さすがに何も食わないで済ますわけにはいかず、レストランで7ポンド(約1600円)のスパゲッティ・ボロネーゼを注文。これが全く酷かった。適正時間の倍くらい時間をかけてじっくり茹でたかのように麺がブヨブヨ。母校の食堂の300円パスタと同レベルの味。久々に殺意の沸く食事だった。


待ち時間中にベルリン行きの便がある事を発見したので、その搭乗口前で再びパドルを掲げて定期券の販売に挑戦。今度はかなり多くの人達が興味を示してくれた。そして遂に買い手が現れたのだけれど、ユーロを持っていないから5ポンド(1150円)で売ってくれと交渉してきた。これを逃して売れる自信が無かったので、言い値で売却。思っていたより安値とは言え、自分の手で直接何かを売って金を得るという行為は純粋に楽しい。それとは対極的な仕事をこれまでしてきただけに。


まーそんなこんなで、無事、パドルと共に帰国しましたー。


写真は実家で撮影した、メメ君とパドル。TY-WarpのBEAM11という安いパドルなんだけど、スーパーマーケットのビニール袋と緩衝材を被せて、銀色ガムテープでグルグル巻きにしてあるので、ちょっとWernerのダブルダイアモンド(最高級なパドル)っぽい?

*1:ベルリンの公共交通網は一元管理されていて、650ユーロ(約10万円)で年間定期券を買うと、S-Bahn(市内鉄道)、U-Bahn(地下鉄)、バス、トラム(路面電車)全ての路線をベルリンABエリア(東京で言えば23区内くらいに相当)で使える。名前の記入は無いので、譲っても問題なし。

*2:搭乗手続き開始直後に並んだのに、搭乗時間間際まで待たされた。窓口が少なすぎなんだよなー。